自国通貨の国債発行ならば、自国通貨をいくらでも発行することで債務の返済が可能だから、財政破綻しないというMMTは、理屈としては通る。
ただ実際にそれをやると、自国通貨の価値が、海外通貨に比べて暴落する。

となるとどうなるかというと、円建ての所得を得て、円建ての資産を持っている日本人は、世界的レベルでは貧民に転落する。
ハイパーインフレのジンバブエと同じ。

それでも日本国内で経済を回せばいいのではと思うかもしれないが、日本は少資源国なので、石油や天然ガスを海外から買う必要がある。
冗談ではなく、電気代、ガス代、ガソリン代が月10万円以上かかるというレベルになる。
既にその片鱗は出てきているけれど(電気代が月3万円以上になったというニュースを目にしたと思う)、事態が深刻になると、輪番停電も現実となる。

一番の問題なのは、産業競争力が、10年以上前に比べてはるかに凋落していること。
液晶テレビ、半導体、電気自動車、ノートパソコン、スマートフォン。どれもダメ。本当にダメ。
産業競争力があって、外貨獲得の見込みがあれば、国債を増やすことは構わない。
しかし、今や国家としての競争力が凋落していて、15年前とは比べ物にならない。今あるのは、過去に築いた信用だけ。

対外資産の存在も、過去の競争力のある時代に築いたものであって、今後は海外にカネを回す余力は確実になくなる。
アメリカや中国みたいに、軍事力・経済力にものを言わせて強制的に回収する仕組みがあればともかく、日本にはその力もないから、絵に描いた餅みたいなもの。

MMTで大丈夫だから金をすりまくれ!っていうのが世論だとしたらそれはそれで結構だが、いつかどこかのタイミングで限界が来るし、その兆候は既に出てきている。