[東京 20日 ロイター] - 6月の日銀金融政策決定会合にかけて日本国債(JGB)を売った海外勢だが、政策修正への期待を捨てたわけではなさそうだ。ショートポジションの一部は巻き戻されたが、ヘッジファンドのような短期筋だけでなく長期目線のリアルマネー投資家の一部も「参戦中」だ。今週の日銀会合での政策変更を見込む声は少ないが、円安が進み、政治的圧力が強まれば、いずれ修正を迫られるとの見方は根強く残っている。

<海外勢が6月以来の円債売り>

財務省の統計によると、外国人(非居住者)は9月4日の週に日本の中長期債を2兆5705億円 (指定報告機関ベース)売り越した。過去最大の売り越し規模となった6月12日の週に続き、今年度では2番目の売り越し額となる。

日本証券業協会のデータでは、今年3月から6月にかけて外国人は長期債を9兆4881億円売り越した。7─8月で計3兆3625億円買い越したが、単純計算で約6兆円のショートポジションが8月末時点でまだ残っている計算になる。

「外国人には買い戻し余力があると言えるが、別な角度でみれば、日銀の政策修正期待をまだ完全に放棄していないとも見える」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは指摘する。

海外勢の動向に詳しい外資系証券のストラテジストは「市場は6月と比べれば落ち着いているが、外国人がJGB売りを止めたわけではない。いわば観光客的に日本市場に来た投資家はいったん去ったが、外為市場で日銀のレートチェックが入った14日以降は再び海外からの問い合わせが増えている」と語る。

6月から日銀への挑戦を公言する英ヘッジファンドのブルーベイ・アセットマネジメントは「日本でもインフレの兆しがみられる中、日銀の金融政策の転換点は近い」(マーク・ダウディング最高投資責任者)として、JGBのショート(空売り)スタンスを維持しつつ、円ロングのポジションを構築したと明かす。

新発10年国債利回り(長期金利)は日銀の変動許容幅「上限」の0.25%に上昇したが、6月のように0.25%を上回る動きはみせていない。だが、日銀のコントロールが及ぶ10年債の代わりに債券先物やスワップを使ってショートポジションを作り、正面ではなく脇から攻めるような動きもあるという。