戦後日本の政治経済構造は、1965年11月19日、佐藤栄作内閣が戦後初の赤字国債発行を閣議決定した瞬間に大きな転換点を迎えた。高度経済成長の裏側で、国は財政均衡主義から脱却し、「将来の成長による返済」を前提とした借金体質に舵を切った。この禁断の果実は、やがて制度的な依存症を生み、財政構造を根本から変えていくことになる。

1989年、竹下登内閣のもとで導入された消費税は、日本の税制構造を大きく揺るがした。導入当初は「広く薄く負担を分かち合う公平な税」とされたが、裏では法人税率の段階的引き下げが進行していた。実際、1980年代後半から2000年代初頭にかけて、日本の法人実効税率は約50%から30%前後へと劇的に低下した。その穴埋めとして消費税が機能し、逆進性のある税によって国民生活への負担が増す一方、企業の税負担は軽減された。