>>362
この間、金融所得課税の強化は後回しにされてきた。株式や配当などによる収入にかかる税率は、累進性が乏しく、高所得者層に有利だ。「1億円の壁」とはまさに、金融所得中心の富裕層の税負担がある水準を超えると相対的に軽くなるという“逆転現象”である。努力よりも「資産運用」が報われる社会では、若者が希望を持てないのも当然だ。

問題の核心は、実効税率にある。法定税率と実際に払っている税率には大きな乖離がある。大企業ほど巧みに節税スキームを用い、租税回避地を活用する。一方で、中小企業や労働者は“律儀に”課税され、逆進性の強い消費税に圧迫される。日本の税制はすでに“中立”でも“公正”でもなくなっている。