内閣改造・自民党役員人事に合わせて実施される参院自民の執行部人事に注目が集まっている。高市首相(自民総裁)と参院自民には溝が生じており、人事に影響すると見る向きがあるが、首相には執行部の人事権がなく、「聖域」とされているためだ。なかでも石井準一参院幹事長が続投となるかが焦点となる。(長谷部駿、阿部雄太)
 石井氏は9日、佐藤啓官房副長官と国会内で約30分間面会し、10月上旬に召集予定の臨時国会の日程などについて協議した。
 石井氏は参院で国会対策委員長や予算委員会理事などを歴任し、国会運営に精通する。立憲民主党など野党とのパイプが太く、先の特別国会では、少数与党の参院での法案成立に向け、野党側との水面下での調整役を担った。
 党内が、石井氏の処遇を注視するのは、「首相が今年度予算の審議を巡る不満を抱き続けている」との見方があるためだ。首相は予算の3月末までの成立にこだわったが、参院での審議に時間を要し、成立は年度をまたぐことになった。「首相は国会運営で野党に譲りすぎているとの考えを持っており、その矛先が実力者の石井氏に向けられている」(ベテラン)と見る向きが多い。
 ただ、参院自民の会則では参院議員会長は会長選で選出され、参院幹事長や政策審議会長、国対委員長は会長が推薦し、特別総会の承認を得て決定すると定められている。首相が決定する党幹事長らと違い、首相も直接的な介入はできない仕組みだ。会長任期を2年間残し、人事権を握る松山政司参院議員会長は特別総会で一任を取り付けており、首相の意向を考慮に入れつつ、人事構想を固める姿勢を見せている。
 現在、党内では「石井氏の交代はあり得る」との声と、「石井氏抜きでは国会が回らない」との意見が飛び交っている。石井氏は参院の党内グループを結成し、一定の規模を誇っているだけに、石井氏の意思に反して交代させれば、グループの反発を招くリスクがある。後任人事が難航する恐れもあり、松山氏は難しい判断を迫られることになる。
 参院自民は、閣僚を含む政務三役などの人事でも独自の慣例を持つ。自民は衆院議員に役職希望アンケートを実施したが、参院議員は対象外とした。参院側では幹部が個別に議員に希望を聞き取るなどし、首相側に推薦する方式を続けている。推薦を受け入れるか決めるのは首相のため、執行部人事への評価が影響を与える可能性もある。

読売新聞 2026/09/10 16:20
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