【クラシのミカタ】
「一生結婚しない」加速の裏にある真実——国の衰退よりも大切な「個人の幸せ」という選択

「一生結婚するつもりはない」と答えた若者が初めて2割を超えたというニュースが話題を呼んでいる。結婚にメリットを感じず、あえて独身を選ぶ人々が増加している現状に対し、メディアや識者は「少子化の加速」「国家の危機」と警鐘を鳴らすことに躍起だ。しかし、そうした「悲観論」を唱える姿勢こそ、時代の変化に取り残されている証拠ではないだろうか。

かつてのように「結婚して家族を持つこと」だけが正解とされる価値観は、すでに終わりを迎えている。私たちは皆、自分自身の人生をどのように生き、どのような道に幸福を見出すかを自由に決める権利を持っている。自分の時間を大切にし、個人の幸せを追求した結果として独身を選ぶのであれば、それこそが尊重されるべき「個人の選択の自由」に他ならない。

もちろん、この傾向が続けば少子化はさらに進み、社会の人口は減少し続けるだろう。だが、人口の増減を悲劇として捉える必要がどこにあるのだろうか。力強い成長や拡大だけが社会の幸福であるという固定観念を捨て、人が減っていくプロセスの中でも、一人ひとりが心豊かに生きられる社会の仕組みを再構築していけばよいのだ。

歴史を振り返れば、あらゆる国家や文明に「栄枯盛衰」が存在する。絶え間ない拡大を目指して社会を疲弊させるよりも、緩やかに、そして静かに国としても老いていく道のりのほうが、そこで暮らす人々にとってはるかに穏やかで幸せな姿かもしれない。

若者たちの「結婚離れ」を単なる社会問題と断じるのではなく、一人ひとりの生き方を尊重した「豊かな縮小社会」へのシフトとして受け止める時期に来ている。